徳薙零己の備忘録

徳薙零己の思いついたことのうち、長めのコラムになりそうなことはここで

サッカーのスタイル作りについて考えてみた。

浦和レッズと言えばJリーグのクラブを真っ先に思い浮かべるが、実は女子サッカートップリーグであるなでしこリーグ1部にも浦和レッズがある。

正式名称は浦和レッドダイヤモンズレディース
浦和駒場スタジアムを本拠地とし、男子とほぼ同じユニフォームを身にまとって試合をしている。

ただ、男子と女子では決定的に違う点が一つある。
それはサッカースタイルが確立されているか否か。

男子の場合は監督が替わるとフォーメーションが変わり、試合の運び方も変わるが、女子の場合は監督が替わろうと全く同じフォーメーションで、全く同じ試合の進め方をする。

ゴールキーパーの前はディフェンスラインが4バックで並ぶ。
ディフェンスラインの前はミッドフィルダーが4人。センターハーフとしてやや後ろ気味に位置する2人と、オフェンシブハーフとしてややワイドに位置する2人がいる。
最前線のフォワードも2人。

図にするとこうなる。

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守備時と攻撃時とで多少のポジションの変更があるものの、基本的に一つのポジションで複数の役割を求められることはなく、11人の中の1人としての役割に徹することで、11人として最高の結果を出すようにできている。そのため、選手一人一人の役割が明確化されると同時に無駄な体力の消耗を防いで90分に渡って全力を出し続けられるようになっている。

 

守備時

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攻撃時

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これは女子代表なでしこジャパンが採用しているシステムであり、Jリーグでいうと鹿島アントラーズが採用しているシステムに近い。

 

このシステムは、浦和レッズレディースがまだ「さいたまレイナス」と呼ばれていた頃に田口禎則監督が導入したもので、それまで優勝はおろか優勝争いとも無縁であったレイナスはこのシステムによって2004年に優勝、それも年間無敗での優勝という脅威の強さを見せつけた。

その後、監督が何度か替わったがサッカースタイルは変わることなく、優勝2回、2位2回、3位4回という安定的なサッカーをするようになっているが、注目すべきは低迷したとき。

2013年、2016年と低迷したシーズンはあったが、低迷して監督を変えることはあっても、サッカースタイルは変えなかったのである。

 

これを踏まえて、私はこう言いたい。

サッカースタイルの確立は難しいが、浦和レッズレディースはできているのである。

同じ浦和レッズなのに、男子はなぜできていないのか、と。